皆さんこんにちは!ミナンチャ(@minanncha)です。
昨今かつてない米国株投資ブームです。特に下落相場でも安定的にキャッシュフローが得られる高配当ETFは分散も効いており手軽であることから特に注目を集めています。でも、米国の高配当株・ETF投資とは言っても一体何に投資すればいいのでしょうか?情報がありすぎて逆に迷われているのではないでしょうか。
今回の記事では、米国の高配当株投資を始めるにあたって、具体的に何に投資するのがベストなのかを説明します。この記事を読んで頂くと、迷わずに納得して米国の高配当株投資を始められるようになるはずです。
自身で腹落ちして投資できるように、そもそもこの記事で紹介する米国株ETFがなぜ優れているのかについて他の商品とも比較しながら理由を具体的に提示していきます。
それでは行ってみましょう!
この記事はこんな人が書いています
- 短期投資歴5年、長期投資歴5年
- 運用資産額2,300万円
- 長期投資にて5年で運用資産は約4倍
- 高配当日本株、米国ETFを運用中
- 1級ファイナンシャルプランナー
- CFP認定者
※すべて記事執筆時点
VYMとは何か
VYMとは世界最大級の運用会社であるバンガード社が運用する米国のETF(個別株と同様に株式市場で自由に売買できる投資信託)です。
正式名称は「バンガード米国高配当ETF」と言い、FTSEハイデ ィビデンド・イールド指数(米国株式市場における配当利回りが上位の銘柄で構成されたREITを除いた指数)に連動する投資成果を目指すETFです。時価総額加重平均を用いて保有銘柄のウエートを調整しています。概要は下記のとおりです。
【概要】
名称 | バンガード・米国高配当株式ETF |
設定日 | 2006/11/10 |
運用会社 | バンガード社 |
投資地域 | 米国 |
構成銘柄数 | 約400銘柄 |
主なセクター | ヘルスケア・金融・消費財など |
ベンチマーク | FTSEハイデ ィビデンド・イールド |
ETF純資産 | 約440億USドル |
銘柄入替え | 年1回 |
配当時期 | 3月/6月/9月/12月 |
直近配当利回り | 3.26% |
経費率 | 0.06% |
注目点は0.06%という経費率の低さです。つまり100万円投資しても年間経費はたったの600円ということです。例えば日本国内の銀行窓口でよく見かける信託報酬(経費)1%の投資信託であったら100万円投資して1万円かかるわけですから、相当良心的な経費設定といえますね。
セクターの構成比は下記のとおりです。
【セクター構成比】
見て頂くと上位から順に、金融・ヘルスケア・生活必需品・製造業・エネルギーで約7割を占めます。比較的バランスが良く偏りも少ないです。
続いて上記構成銘柄はこちら
【上記構成銘柄】
ジョンソンエンドジョンソンとかコカ・コーラ等の日本でもお馴染みの歴史ある有名企業ばかりですね。一方でグーグルやアマゾン、マイクロソフトなどの大手IT関連企業は配当利回りが低いため組み入れられていません。
以上から簡単に言い換えると、米国の高配当の大型優良企業約400社をまるっと買えるETFということですね。
米国高配当ETFの御三家(VYM・HDV・SPYD)との比較
VYMと並んで人気で名実ともに優秀なETFがあります。HDVとSPYDです。まずは御三家とも呼ばれるこれらの米国高配当ETFを比較してみましょう。
VYM | HDV | SPYD | |
名称 | バンガード・米国高配当株式ETF | iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF | ポートフォリオS&P500高配当株式ETF |
設定日 | 2006/11/10 | 2011/03/29 | 2015/10/22 |
運用会社 | バンガード社 | ブラックロック社 | ステート·ストリート社 |
投資地域 | 米国 | 米国 | 米国 |
構成銘柄数 | 約400銘柄 | 約75銘柄 | 約80銘柄 |
主なセクター | ヘルスケア・金融・消費財など | 消費財、生活必需品、エネルギー、石油・ガス、電気通信など | 公益事業・金融・不動産など |
ベンチマーク | FTSEハイデ ィビデンド・イールド指数 | モーニングスター配当フォーカス指数 | S&P500高配当指数 |
ETF純資産 | 約440億USドル | 約122億USドル | 約78億USドル |
銘柄入替え | 年1回 | 年4回 | 年2回 |
配当時期 | 3月/6月/9月/12月 | 3月/6月/9月/12月 | 3月/6月/9月/12月 |
直近配当利回り | 3.26% | 3.14% | 4.01% |
経費率 | 0.06% | 0.08% | 0.07% |
HDVはエネルギーや生活必需品といったディフェンシブな銘柄が多く、不景気でも必ず必要となる分野のため、不景気に強い特徴があります。ですが見方を買えるとエネルギーや生活必需品のセクターに偏りすぎているとも言えます。また分散という観点ではVYMの400銘柄と比較して少し弱いですね。
SPYDは他2つのETFに無い不動産セクターへの投資があり、最も利回りが高いです。一方で投資先は不動産や公共事業、金融などの割合が大きいことから、景気変動の影響を受けやすい傾向があります。
比較してみるとVYMが400銘柄と最も銘柄分散されており、バランスが良いETFと言えます。また、経費率が最も安い点も優れています。良い意味でクセがないETFだと思います。
長期保有ならVYMをオススメする理由
約400銘柄へ分散投資できる
高配当ETFの中でも銘柄分散が最も優れています。1口のETFで約400社の米国の超優良企業へまとめて投資できるというのは非常に手軽で便利な投資商品だと思います。特定のセクターへの偏りが少ないため、景気動向の影響が低く抑えられます。安定的な運用が期待できるという点では長期投資に向いているETFであると言えます。
将来的な増配が期待できる
VYMの配当金の過去パフォーマンスは下記のとおりです。
順調に増配していることが分かります。つまり長期で保有することにより今後さらに多くの配当金を受け取れる可能性があることを示唆しています。
キャピタルゲインも期待できる
VYMの過去の株価パフォーマンスは下記のとおりです。
見事にきれいな右肩上がりですね。
S&P500との比較ではどうでしょうか?
配当金の再投資は考慮していない比較となりますがS&P500にはパフォーマンで劣後します。
以上から、キャピタルゲインにのみ拘るのであればS&P500指数連動のETF(VOO)に投資することが賢明ですが、「高配当ETF」という前提で配当金貰い続けながら長期投資するという方針であれば、十分なパフォーマンじゃないでしょうか。
まとめ
高配当株(ETF)投資とインデックス投資は同じ長期投資であっても目的が違います。高配当株投資が「今の豊かさ」にフォーカスする投資スタイルであるのに対し、インデックス投資は「未来の豊かさ」にフォーカスする投資スタイルです。
あくまで高配当株投資として配当をもらい続けながら長期運用するという前提で考えた場合、VYMは増配率、成長率、分散力において非常に優れたETFであり有力な投資候補と言えます。
また、長期投資はスタートを切るのが早ければ早いほど時間による複利が効果を発揮して、より高いパフォーマンスを生み出します。
今までインデックス投資一本で運用されてきた方や個別株のキャピタルゲインを目的とした取引をされてきた方で、米国高配当株投資に興味はあるけど銘柄選定に悩むという場合は、入口としてVYMから初めてみるのもいいと思います。間違いはない王道のETFですから。
また、まだ投資自体をスタートできてないよという方は口座開設が第一歩ですから、すぐに行動しましょう。米国株の購入は取り扱い商品数も多く手数料も安いため「SBI証券」がおすすめです。
なお、日本の高配当株の見つけ方と買い方、米国株長期インデックスファンドのお勧めの銘柄についても記事にしていますので、ご興味があれば合わせてお読みください。
今回は米国高配当ETFで間違いない銘柄「VYM」についてご説明しました。
今回もここまで読んで下さりありがとうございました。