不動産の話

借地権の売り方と手順を解説!売却方法を知っていれば売るのも買うのも怖くない

皆さんこんにちは

ミナンチャ(@minanncha)です。  

皆さんにとって借地権の物件ってどんなイメージですか?所有権の物件と違って売りにくくて、内容も小難しいから手を出しにくいという印象ではないでしょうか?

実は売却方法には正攻法が存在します。僕の長年の実務経験の中で証明してきた方法です。今回は借地権の処分方法についてお話しします。

結論から言うと借地権の処分の方法と手順は下記のとおりです。

  1. 最初に地主へ売却または購入の相談
  2. だめなら地主と協力して一緒に売却か交換
  3. それでもだめなら第三者へ売却

今回の記事では、現役不動産屋の僕が、専門用語をなるだけ避け、噛み砕いて基礎から分かりやすく解説します。この記事を読めば、借地権全く分からん!という人でも大筋のコツを掴むことができるようになります。

借地権の処分を検討している方、借地権の物件を買おうとしている方のお役に立てば幸いです。

それでは行ってみましょう!

この記事の信頼性

この記事はこんな人が書いています。

  • 業界大手の財閥系不動産仲介会社で17年間に亘って仲介業務を経験
  • 現在まで300組以上の売買仲介案件を成約
  • 宅地建物取引士
  • 1級ファイナンシャルプランナー
  • CFP認定者

借地権と底地の基礎知識を整理

まず初めに借地権と底地が何かについて整理しておきましょう。

借地権と底地を簡単に言い換えると下記のとおりです。

借地権→土地を借りる権利

底地→借地権が設定された土地

そして大事なポイントは下記の公式です。

借地権+底地=所有権

借地権を持っている人がその借地権の存する底地を買い取ると所有権の土地になるということです。逆も同じですね。底地を持っている人がその土地の上に存する借地権を買い取ると所有権の土地にすることができます。

また、借地権には押さえておくべきポイントがあります。

  • 地代(土地のレンタル料)を地主へ払う必要がある
  • 地主以外に売却する際には地主の承諾がいる
  • 地主以外に売却する際には地主へ承諾料を払う必要がある
  • 建物を建てるときに地主へ承諾料を払う必要がある
  • 更新時には更新料を払う必要がある

これらの知識を踏まえて説明していきます。

借地権の処分方法は5つだけ

結論から言うと、借地権を処分する方法は下記の5つです。また、試す順番も記載の順で交渉していくことになります。

実際には不動産屋が全て交渉してくれますが、騙されたり、損したりしないためにも、借地権者も処分方法と内容について知っておくべきです。

  1. 地主に借地権を買い取ってもらう
  2. 地主の底地を買い取って所有権化する
  3. 地主の底地と借地権を同時に売却する
  4. 地主の底地と借地権を交換して互いに所有権化する
  5. 借地権を第三者へ売却する(地主の承諾必要)

1.地主に借地権を買い取ってもらう

借地権を処分する際に一番最初に交渉する先は地主です。まず借地権を買い取る意向があるかを確認することになります。

地主にとってみれば、借地権を買い取ることで底地を所有権化することができ、資産価値を向上させることができます。所有権化した後に、共同住宅を建築して収益物件とすることもできますし、売却してキャピタルゲインを狙うことも可能です。

2.地主の底地を買い取って所有権化する

上記1.の逆のパターンです。借地人からしてみると地代や将来的な建て替え承諾料、更新料の支払いがなくなることと、底地を取得することで借地権を所有権化できるため、上記1.と同様に大きなメリットがあります。

3.地主の底地と借地権を同時に売却する

地主の所有する「底地」と借地人の所有する「借地権」を同時に一般市場で売却する方法です。底地と借地権がセットになることで、買い手は「所有権として」その物件を購入することができます。

売却代金を予め地主と借地人間で決めた割合で分配します。

この方法は一般流通市場での売却が期待できますので、所有権価格に適した相場で売却することができるメリットがあります。

4.地主の底地と借地権を交換して互いに所有権化する

ここで言う「交換する」の意味は、地主と借地人との間で、地主の所有する「底地」と借地人が所有する「借地権」をそれぞれの権利割合に応じて交換し、お互いに所有権化した不動産を取得することを指します。

例えば100平米の土地があって、地主の所有する底地の権利割合が40%、借地人の所有する借地権の権利割合が60%であったとしましょう。この場合、地主が40平米の土地を、借地人が60平米の土地を取得できるように、土地を分割して地主と借地人とでそれぞれ所有権化して取得するイメージです。

図にするとこんな感じです。

5.借地権を第三者へ売却する

最後の手段は借地権を地主以外の第三者へ売却する方法になります。前述のとおり、事前に地主から承諾を得ることと、実際に買い手が見つかって売却する際には、地主へ譲渡に関する承諾料を支払う必要があることに注意が必要です。

ただし、借地権の物件は、所有権の物件と違って知識の乏しい素人が手を出しにくいため、そう簡単には売却できません。

現実的な売却先は不動産業者になってきます。プロの不動産業者なので基本的に売却後の物件の補修責任(瑕疵担保)や面倒は一切ない条件で売却可能です。価格は割安になるものの、現況の状態のまま丸呑みで買い取りしてくれ、売却後の責任も一切飲み込んで購入してもらう相談ができるため、売主にもメリットがあります。

借地権の価格の決め方

借地権価格の目線として良く用いられるのは

所有権価格×前面道路路線価の借地権割合(※)です。

※前面道路路線価の借地権割合とは、その土地が面している前面道路の路線価に設定された相続税評価算出のための借地権の権利割合。路線価は国土交通省のHPで確認できます。前面道路路線価に記載されたアルファベットが借地権割合を表します。(A=10%、B=20%、C=30%、D=40%)

ただし、路線価の借地権割合はあくまでも相続税評価をするためのものであって、ひとつの目安にはまりますが、絶対的なものではありません。

ミナンチャ

原則として、借地権と底地の割合は、地主と借地人との合意で決めるものということを押さえておいてください。

まずは所有権価格を把握するため、不動産会社へ価格査定の相談をすることからスタートしましょう。実績やコンプライアンス面でも下記リンクなどの大手不動産会社をお勧めします。

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また、借地権処分の交渉の入口が地主である以上、交渉を持ちかける側である借地人側で事前に価格目線を掴んでおく必要があるでしょう。

借地人

借地権買ってくれませんか?

地主

いいですよ

いくらですか?

借地人

わかりません。

地主

・・・・・

こんな会話では相手に失礼ですし、そもそもこれでは交渉がまとまる訳がありません。

最後に

処分に困るイメージがあり、手を出しにくい借地権ですが、出口が見えていれば怖がる物件ではありません。処分方法は説明したとおり至ってシンプルです。

また、この記事の解説でもわかるとおり、地主への交渉は避けて通れないため、普段から地主と良好な関係を築いておくことは非常に大事なポイントです。

やはり人間関係が基本ということです。

なお、今回は借地権に関して解説してきましたが、過去に「底地」にフォーカスした記事も書いていますので、ご興味あれば是非ご一読下さい。

「底地」は最強の収益物件である 今回は一般の方にはあまり馴染みの無い「底地」について話をしようと思います。不動産投資と一言でいっても他人と同じことをしても同じ結果しか...

今回もここまで読んで下さり、ありがとうございました!

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