今回の記事では、NISAの成長投資枠の投資先としてインデックスを選んではいけない理由を解説していきます。
結論、運用効率を考えればインデックス投資が正解です。しかし、そのインデックス投資は一生売らずに死ぬことになるのでやめるべき、というのが僕の答えです。
例えるなら、ゲームで一番貴重なアイテムは結局最後まで使わないままクリアしてしまうのと同じです。
実際の運用シミュレーションも見ながら、一緒に考えていきましょう。
なお、別の視点から、下記の記事も書いていますので合わせてご覧ください。
この記事で分かること
この記事の信頼性
この記事はこんな人が書いています。
- 不動産屋だけど資産運用は株式投資派
- 短期・長期投資を通じ株式投資歴10年以上
- インデックス投資と高配当株投資の二刀流
- 宅地建物取引士
- 1級ファイナンシャルプランナー
- CFP認定者
投資効率だけならインデックス投資が絶対
投資効率という観点から、NISAの成長投資枠(1,200万円)でインデックス投資を行た場合と高配当株投資を行った場合のメリットを比較してみましょう。
前提条件として、株価の上昇率をインデックス投資は年平均7%、高配当株は年平均3%、また、配当金額をインデックス投資は0%、高配当株は投資元金1,200万に対して4%と仮定します。過去のパフォーマンスを考慮してもまずまずの仮定条件だと思います。
NISAの成長投資枠1,200万円を全額埋められた年を1年目とし、そこから起算して経過年数ごとにその時点で売却した場合の節税額のメリットを比較します。
下図表の赤字部分が、含み益と節税額に関するインデックス投資と高配当株投資との差です。
圧倒的にインデックス投資が有利です。20年で約2,200万円の含み益の差と約250万円の節税効果の差が生まれてしまうのです。
それでも高配当株投資をオススメする理由
先のシミュレーションでも示したとおり、投資効率ではインデックス投資が最適解ですが、NISAの成長投資枠においては敢えて高配当株へ投資することをおすすめします。
その理由は下記のとおりです。
①インデックス投資、死ぬまで売れない問題
インデックス投資の最大の問題は、運用で膨らんだ資産を心理的に売却することができないという点です。
長期投資を主とする投資家にとって、インデックスファンドも高配当株もホールドして売却しないことが前提となりますが、売却に関しての心理的ハードルは同じではありません。
おそらく資産の取り崩しの時期になったとしても、虎の子であるNISA非課税枠のインデックス投資は最後の最後まで手を付けないはずです。
NISA枠は売却した翌年にはその枠が復活するということを頭ではわかっていても、含み益がたんまりとある状態で売却時のメリットが肥大した資産には手を付けづらいからです。
同様に高配当株も含み益となっていれば同じ心理状態となりますが、リバランスの一環として一部を売却して他の高配当株銘柄へ組み替えるなど、インデックス投資と比較すれば、そのハードルは低いです。
NISAの恩恵は売却した時か配当金を受け取ったとき以外にはありません。
②含み益は幻。使ってこそ意味がある
当たり前のことですが棺桶にカネは持っていけません。増やした金は生きているうち、そして元気なうちに使うのが正しい使い方であり、より若い内に使うことがカネの価値を最も大きく引き出せる行為です。
だから、配当金というキャッシュフローを得て、それらは基本的に全部使い切る
これが正解だと思っています。投資手法が云々ということよりも、シンプルに使うために増やすという原点に立ち戻るべきです。
③高配当株投資も値上がりする
インデックス投資か高配当株投資かの議論では往々にして高配当株が値上がりしないことを前提に語られます。
財務優良な銘柄へ分散して投資すれば、長期的には高確率で上昇します。
キャッシュフローを得ながら、キャピタルゲインを狙えれば価値ある投資と言えます。
過去に高配当株の選び方を記事にまとめていますので、合わせてご覧ください。
最後に
インデックス投資の運用効率が高い一方で、売却のハードルが高く、実際には含み益という幻を眺め続けて生涯を終えてしまう可能性が高いです。
日々の生活を少しでも豊かにし、投資の果実を十分に味わいたいものですね。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。