株式投資の話

高配当株投資は米国株より日本株の方がオススメな6つの理由

高配当株投資やってますか?

やはりキャッシュフローを得られることは資産運用の醍醐味と言えるでしょう。

昨今は米国株が大人気で猫も杓子も米国です。そんな中、今回の記事はその潮流に逆らって、高配当株投資をするなら米国株でなく日本株の方が有利だというお話しです。

結論から言うと、税金・利回り・割安感からみても日本株の方がお得だからです。

前提として断っておきますが、あくまで高配当株投資に関してはということでご理解ください。長期的な値上がり益を期待するインデックス投資においては米国株がベストな選択であるという事実は変わりません。また、米国高配当株を否定する主旨ではありません。

それでは行ってみましょう!

この記事で分かること

この記事の信頼性

ミナンチャ

この記事はこんな人が書いています。

  • 米国インデックス投資、日米高配当株投資を長期運用中
  • 財閥系不動産仲介会社で長年に亘って不動産売買仲介を経験
  • 宅地建物取引士
  • 1級ファイナンシャルプランナー
  • CFP認定者

高配当株投資するなら日本株が良い理由

高配当株投資における日本株の優位性は6つあると考えています。優位性の高い順に解説していきます。

税金

投資をするうえで税金効率を考えることは重要です。高配当株投資における米国株と日本株の違いは大きいです。論点は2つです。

  • 配当控除
  • 外国税

まずは配当控除についてです。

配当控除とは簡単に言うと、国内株式の配当金に課税された税金を取り戻せる制度です。

株式の配当には約20%の税金が課税され、その税金を除いた額を受け取っています。この納税した20%の税額の一部を控除できるというわけです。

課税総所得が1,000万円以下の人の場合、確定申告することで配当所得のうち所得税10%と住民税2.8%を税額控除できます。

具体的な例でいうと、配当金を年間で10万円受け取っている場合、配当控除をすることで、

  • 所得税:10万円×10%=1万円
  • 住民税:10万円×2.8%=2,800円

所得税と住民税の合計で12,800円の税金を取り戻すことができるわけです。これを使わない手はありません。

しかし、残念ながら米国株や米国ETFの配当金にはこの配当控除を使うことはできません。

続いて、外国税です。

先ほど説明のとおり、日本株の場合は配当金に対して約20%課税されます。つまり、手残りは約80%となります。

一方、米国株や米国株ETFの場合は配当金に対して米国現地で10%の外国税が課税された後、日本国内でさらに約20%の所得税と住民税が課税されます。つまり、手残りは約72%(90%×80%)となります。

出典:大和証券

納税した外国税については、外国税額控除という制度により、確定申告することで一定額を取り戻すことができます。

ただし、注意したいのが、NISAやつみたてNISAでは外国税額控除は使えないという点です。

為替リスク

日本円をベースに生活している日本人にとって、外国株への投資には常に為替リスクが付きまといます。ここ最近では、各国の為替に対する政策の違いから、急激な円安に振れており、米国株を持っているだけで含み益が増えていく状況が続いていました。

しかし、投資の世界ではプラス方向へ動くこともマイナス方向へ動くこともリスクと考えます。つまり、価値の変動自体がリスクなのです。

すなわち、同様にして反対方向へ、つまり円高へ動くこともリスクとして考慮しなくてはいけないのです。

日本人がドル建てで米国株へ投資する場合、このように、常に株式自体の値動きリスクに加えて、為替リスクも負うことになり、日本株へ投資するよりも為替の影響を含めた価格変動のリスクが大きくなります。

利回り

利回りについても考慮すべきでしょう。

専業の投資家を除いて、働きながら片手間で株式投資をすることを前提とするならば、米国高配当株の有力な投資先はおそらくETFになるでしょう。

私たち日本人が聞いたこともない、あるいは聞いたことがあっても何の事業をどのように経営しているのか詳しく分からない会社ひとつひとつを個別に分析して投資するということは現実的ではないからです。

本記事執筆時点で、米国の人気高配当ETFであるVYM・HDVの利回りは約3%前後、SPYDの利回りは約4.5%です。SPYDは配当利回りが高い80銘柄の寄せ集めなため、値動きが不安定な分、突出して利回りが高いです。

正直なところ、日本の高配当かつ財務優良な企業の株を組み合わせても、これらの利回りを超えることは難しくありません。

個別銘柄による高配当株投資は購入するタイミングや銘柄選定が難しいと言われますが、短期間で値幅を儲けようなどという発想でなく、長期で配当を着実に得るという視点に立てば、購入タイミングは正直なところあまり気にしなくて良いでしょう。

財務優良な企業に分散して投資していれば、長期目線では、大損する可能性は低く、むしろ値上がりが期待できます。

財務優良な銘柄選定についても、実はそこまで難しくありません。IRバンクというサイトを使って、売上推移やEPS、配当実績を確認すれば宝物を発見できます。

過去に日本の優良な高配当株を見つける方法を記事にしていいますので、詳しくは下記を参考にしてみて下さい。

日本の高配当株の見つけ方と買い方!賢い投資家はみんな知っている!(銘柄公開有り) こんにちは。不動産屋兼株式投資家のミナンチャです。 配当金いいですよね。資金が少ないうちはスズメの涙かもしれませんが、資金が膨ら...

PER

PERとは「1株当たり利益の何倍まで株価が買われているか」を示す指標です。

PER=【株価】÷【1株当たり利益】:株価を1株当たり利益で割って計算します。 一般的に、倍率が高いほうが株価は「割高」、低い方が「割安」と判断されます。

日本の株は米国株と比較して割安です。マイインデックスというサイトに分かり易いグラフがありましたのでお借りしました。記事執筆時点の各国のPERです。

出典:マイインデックス

PERの観点から比較すると、日本の株は米国や全世界基準、先進国基準よりも割安な状態で放置されていることが分かります。

日本は高齢化により人口が減少するので、将来的な消費や生産性の増加の期待値が低く、先細りだとよく言われます。

しかし、日本企業は日本国内だけで収益を上げているわけではありません。特にプライム市場に上場するような大企業の多くが海外市場を常に視野にいれて企業活動をしています。

現在、投資活動をしている私たちの世代が、生きている間に急転直下で日本の大企業の殆どの業績が地に落ちて低迷し続けるという状況は考えにくいです。

株主優待

おまけ的な要素が強い株主優待ですが、塵も積もれば山となるです。

株主優待は日本企業独特の制度で、忘れた頃に配当金とともにやってきます。

株主優待は投資の目的になりませんが、保有株数の目標のひとつになります。どうせ株を持つならおまけもついてきた方がいいじゃないですか。

それにあまり語られませんが、配当金と違って株主優待は課税されません。

クオカードからカタログギフトまで、享受できる日本株のメリットは何でももらっておきましょう。

企業を応援

最後にこれは地味に大事なことです。

良く分からない企業へ投資することと、日常から慣れ親しんだ企業へ投資することとでは、投資する側のリアリティやモチベーションに明確な差があります。

”ただ儲かればよい”これは投資という目的から見れば正しいです。しかし、”企業を応援する”という株式投資本来の姿からは遠ざかってしまうのではないでしょうか。

テスラよりトヨタ自動車、JPモルガンチェイスより三菱UFJフィナンシャルグループが成長することの方が、日本の経済の未来を担う企業を応援する意味では喜ばしいことです。

投資家は応援したい企業へ出資し、企業はそれに応えて利益を上げる、その利益の一部を応援してくれた投資家へ還元する。株式投資の基本に立って投資をしていれば、多少の業績のゆらぎに慄くこともないですし、受け取る配当金にも意味を見出せるというものです。

S株を利用しよう

日本株は100株単位での購入が基本となりますから、購入の総額が張ってしまうという難点があります。

この難点を解決するのが「単元未満株」と呼ばれる1株単位で購入できる株です。証券会社によって呼称はS株とかミニ株とか異なりますが単元未満株のことを指します。

単元未満株はSBI証券や楽天証券などで購入可能です。口座開設はどちらもタダなので、口座開設されてない場合はまずは両方の口座開設をしてみましょう。

小さな金額からであれば始めるハードルも低く取り組みやすいかと思います。また、購入する際は1点集中はせず、概ね20銘柄程度にリスク分散するようにしましょう。

まとめ

今回の記事では、日本株が高配当株投資において有利である理由を解説しました。

日本人が投資することを前提に、税金効率や為替リスク、利回り、PER、株主優待、企業の応援という6つの要素から考えると、日本株は米国株に比べて優れています。

税金の面では配当控除のメリットがあり、為替リスクも心配する必要がありません。また、日本の財務健全な高配当企業の株を組み合わせることで、米国株ETFの利回りを上回る成果を期待できます。加えて、日本株は米国株に比べてまだまだ割安です。

高配当株投資を検討する際には、米国株一択という凝り固まった考えにならず、日本株も魅力的な選択肢であることを覚えておくと、あなたの株式投資のバリエーションがより豊かになるでしょう。

今回もここまで読んでくださり、ありがとうございました!

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