株式投資の話

【日本株】狙うべき財務優良株はコレ!高配当インカムとキャピタルゲインを両取り【業種別9選】

財務優良な企業であれば、個別株投資であっても、高配当を取りながらインデックス投資を上回る含み益を生み出すことが可能です。

株価が日々変動する中で、購入するタイミングが難しいと言われる個別株投資ですが、長期投資という前提で右肩上がりが期待できる銘柄を複数に分散投資するならば、極論、いつ購入しても良いのです。

では、具体的にどうやってそのような銘柄を探せばよいのでしょうか。

調べたりする時間も無いし、考えるのも面倒くさいから結論だけ教えて欲しいという人のために、今回の記事では、業種別に具体的な銘柄とその銘柄の優良な財務の内容をコンパクトにお示します。

皆さんが株式市場で納得して積極的に買い向かえるための一助となれば幸いです。

※記載内容は全て本記事執筆時点のものです。

この記事で分かること

この記事の信頼性

ミナンチャ

この記事はこんな人が書いています。

  • 不動産屋だけど資産運用は株派
  • 短期投資・長期投資を通じ株式投資歴10年以上
  • インデックス投資と高配当株投資の二刀流
  • 宅地建物取引士
  • 1級ファイナンシャルプランナー
  • CFP認定者

PERの業種別平均を知る

冒頭で極論を言えばいつ購入しても良いと言いました。その通りのなのですが、複数の購入候補がある場合、割安感のある銘柄を買いたいと思うはずです。購入時の割安感を図るために、業種別のPER・PBRの平均を知っておくと非常に役立ちます。

PERとは株価が1株当たり純利益の何倍まで買われているかを見る投資尺度、PBRとは株価が1株当たり企業の資産価値の何倍まで買われているかを見る投資尺度です

ともに現在の株価が企業の利益水準や資産価値に対して割高か割安かを判断する目安として利用されます。PER・PBRの数値は、ともに低いほうが株価は割安と判断され、一般的にはPERは10~15倍以下、PBRは1倍以下が割安の目安と言われます。

しかし、PERもPBRも業種ごとに平均値は異なるため、それらを大まかに掴んでおくことで、適切な相場観を持ってその時の株価水準が割安なのか割高なのを判断できるようになります。

下記は東京証券取引所が公開する本記事執筆時点でのプライム市場における各業種ごとのPER・PBRの平均です。こうして見ると業種ごとに随分違うことが分かりますね。

これだけ押さえればOKの用語簡単解説

企業財務を知る上で、最低限押さえておきたい項目について、簡単に解説します。

EPS

株式投資において利益の割合として用いられる指標です。企業の利益を発行済み株式の数で割ることで計算されます。EPSは、企業の収益性や利益の成長率を把握するために利用されます。右肩あがりに上昇していることが望ましいです。

営業利益率

売上総利益(粗利)が売上高のうちに占める割合のことです。会社の収益力を示します。

自己資本比率

総資本における自己資本の割合のことです。自己資本比率は企業の財務安全性を分析する指標として用いられ、一般的には自己資本比率が高い方が財務健全性は高いとされます。

営業活動によるキャッシュフロー

「キャッシュ・フロー」とは、簡単にいうと「お金の流れ」のことです。営業活動のキャッシュフローとは、商売上のお金の出入りを指し、本業でちゃんと稼げているかを表します。

配当金推移

1株あたりの配当金の推移から、右肩上がりに増えていれば、将来的な配当金の安定性、成長性が期待できます。

配当性向

配当性向とは企業が実際に発行済み株式の利益をどれだけの割合で株主に配当として支払っているかを示す指標です。一見多ければ良いように思えますが、配当性向が高すぎる場合には、利益の中から無理して株主に配当を出している可能性が高く注意が必要です。

おすすめの不動産・建築株

不動産業の平均PERは11、平均PBRは1.2です。建設業の平均PERは13.6、平均PBRは0.9です。購入する際の参考にして下さい。

不動産関連銘柄・建築関連銘柄は内需株の代表であり、円高に強い点が特徴として挙げられます。また、相対的に高く安定した利回りが期待できます。

ヒューリック(3003)

企業概要

不動産のビル管理で創業。不動産賃貸業務に加え、保有物件の建替えおよび都心部の好立地で開発を行う不動産開発業務を行っています。高級温泉旅館の開発、好立地ホテルへの投資も展開しており、東京23区など駅近の好立地にオフィスビルや商業施設を多数保有しています。

評価
売上高の伸び率★★★★★
EPSの伸び率★★★★★
営業利益率★★★★★
自己資本比率★★★☆☆
営業活動によるキャッシュフロー★★★☆☆
配当金推移の伸び率★★★★★
配当性向の健全性★★★★★

積水ハウス(1928)

企業概要

戸建住宅事業、賃貸住宅事業、建築・土木事業、リフォーム事業、マンション事業、都市再開発事業等を行っています。

評価
売上高の伸び率★★★★★
EPSの伸び率★★★★★
営業利益率★★★☆☆
自己資本比率★★★★☆
営業活動によるキャッシュフロー★★★☆☆
配当金推移の伸び率★★★★★
配当性向の健全性★★★★★

おすすめの銀行株

銀行業の平均PERは7.3、平均PBRは0.3です。

メガバンク等の大手銀行株は安定した収益性を持つことが特徴です。ただし、金利変動や信用リスクなどの要素によって、比較的株価は景気に敏感に反応する傾向があり、値動きもやや大きいです。

また、配当の側面では、銀行は利益の一部を株主に還元することが多く、配当利回りが比較的高い傾向にあります。

三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)

企業概要

言わずと知れた日本3メガバンクの最大手。2005年10月に三菱東京フィナンシャル・グループとUFJグループが統合し誕生。銀行業務、信託銀行業務、証券業務を中心に、クレジットカード・貸金業務、リース業務、資産運用業務を行っています。グループ企業には、三菱UFJ銀行を中核に、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJ証券ホールディングス、三菱UFJニコス、アコムなどがあります。

評価
売上高の伸び率★★★★☆
EPSの伸び率★★★☆☆
営業利益率★★★★☆
自己資本比率★★☆☆☆
営業活動によるキャッシュフロー★★★☆☆
配当金推移の伸び率★★★★★
配当性向の健全性★★★★★

三井住友フィナンシャルグループ (8316)

企業概要

銀行、リース、証券、クレジットカード、コンシューマーファイナンス等、幅広い事業を展開する「複合金融グループ」であり、3メガバンクの一角。「三井住友銀行」を中核として、「SMBC信託銀行」、「SMBC日興証券」、「三井住友カード」、「日本総合研究所」、「三井住友DSアセットマネジメント」などをグループ会社として擁しています。

評価
売上高の伸び率★★★★☆
EPSの伸び率★★★☆☆
営業利益率★★★★☆
自己資本比率★★☆☆☆
営業活動によるキャッシュフロー★★★☆☆
配当金推移の伸び率★★★★★
配当性向の健全性★★★★★

おすすめのサービス業株

サービス業の平均PERは19.2、平均PBRは2.0となります。

サービス業の株式は、景気変動に影響を受けやすいとされています。また、人件費が大きなコストとなるため、労働力不足や賃金上昇などの要因によって、企業の利益が減少することがある一方で、国内消費に直結するため、景気回復期には株価上昇が期待されます。

値動きのリスクは比較的高めです。

学究社(9769)

企業概要

教育事業は、中学、高校及び大学への受験生を対象とした進学指導を行う私塾の運営を主な業務とし、「ena」のブランドを軸に、関東圏及び北米、アジアにおいてその事業展開。また、個別指導「個別ena」、「ena家庭教師センター」等の運営を行っています。

評価
売上高の伸び率★★★★★
EPSの伸び率★★★★☆
営業利益率★★★★☆
自己資本比率★★★★☆
営業活動によるキャッシュフロー★★★★☆
配当金推移の伸び率★★★★★
配当性向の健全性★★★☆☆

ジェイエイシーリクルートメント(2124)

企業概要

主に人材紹介事業。国内人材紹介事業、国内求人広告事業、海外事業の3つのセグメント事業を運営。

評価
売上高の伸び率★★★★★
EPSの伸び率★★★☆☆
営業利益率★★★★☆
自己資本比率★★★★☆
営業活動によるキャッシュフロー★★★★★
配当金推移の伸び率★★★★★
配当性向の健全性★★★★☆

おすすめのエネルギー株

分かり易いのでエネルギー株と記載しましたが、以下におすすめする2銘柄は、厳密には鉱業と電気・ガス業になります。

鉱業の平均PERは3.7、平均PBRは0.6、電気・ガス業の平均PERは33.5、平均PBRは0.7です。

これらは、原油価格や天候などの影響を受けやすいため、その値動きは比較的不安定ですが、景気の好況期には比較的高いリターンをもたらすことが多いです。

INPEX(1605)

企業概要

資源開発の国内最大手。原油・天然ガス生産では世界中堅クラス。権益取得から、探鉱、生産、製品販売に至るまでグローバル規模でエネルギー供給を担っています。新規開発に積極的です。また、筆頭株主は経済産業大臣で国策会社の側面があります。

評価
売上高の伸び率★★★☆☆
EPSの伸び率★★★☆☆
営業利益率★★★★★
自己資本比率★★★★☆
営業活動によるキャッシュフロー★★★★☆
配当金推移の伸び率★★★★☆
配当性向の健全性★★★★☆

電源開発(9513)

企業概要

電力卸で石炭火力と水力が主体。コミュニケーションネームとして「J-POWER(Jパワー)」を使用。政府出資の株式会社として設立。主にグループで保有する発電所による発電事業を行う他、送電事業として保有する送・変電設備により、一般送配電事業者の電力託送を行っています。

評価
売上高の伸び率★★★★★
EPSの伸び率★★★☆☆
営業利益率★★★☆☆
自己資本比率★★★☆☆
営業活動によるキャッシュフロー★★★★☆
配当金推移の伸び率★★★★☆
配当性向の健全性★★★★★

おすすめの保険株

保険業の平均PERは22.3、平均PBRは1.0です。

保険株は、景気の変動によって影響を受けやすいですが、長期的な視点で見た場合、安定した収益を生み出すことができるとされます。

東京海上ホールディングス (8766)

企業概要

損保国内最大手。海外保険事業では欧米先進国のほか、アジア・中南米等の新興国でも広範なネットワークを構築。金融・その他事業として、アセットマネジメント事業を中心とした資本効率の高い事業を展開しています。

評価
売上高の伸び率★★★★★
EPSの伸び率★★★★☆
営業利益率★★★★☆
自己資本比率★★★☆☆
営業活動によるキャッシュフロー★★★★☆
配当金推移の伸び率★★★★★
配当性向の健全性★★★★☆

おすすめの通信株

通信株の平均PERは26.1、平均PBRは2.4です。

通信業関連株はディフェンシブセクターに分類されることが多く、景気の悪化にも比較的強いです。

KDDI(9433)

企業概要

「au」ブランドで移動通信事業と固定通信事業を展開。電気通信事業を主な事業としています。そのほか、設備の建設及び保守、情報通信技術の研究及び開発も行います。

評価
売上高の伸び率★★★★★
EPSの伸び率★★★★★
営業利益率★★★★☆
自己資本比率★★★★☆
営業活動によるキャッシュフロー★★★★☆
配当金推移の伸び率★★★★★
配当性向の健全性★★★★☆

日本電信電話 (9432)

企業概要

国内通信の最大手。地域電話で独占しているほか、携帯電話でも圧倒的トップ。長距離・国際電話でもシェアを拡大しています。

評価
売上高の伸び率★★★★★
EPSの伸び率★★★★★
営業利益率★★★★☆
自己資本比率★★★★☆
営業活動によるキャッシュフロー★★★★☆
配当金推移の伸び率★★★★★
配当性向の健全性★★★★★

最後に

今回の記事では、調査や検討の時間が限られている方のために、業種ごとに具体的な銘柄とその財務内容の要点をコンパクトにまとめてご紹介しました。

これらの銘柄は、良好な財務内容を持ち、長期投資に適しています。

米国株も良いですが、足元の日本株にももっと注目すべきです。日本株を買うことは日本企業を応援することでもあり、それは私たちの国を元気づけることにも繋がります。

合わせて、株式投資にはリスクが伴うことを忘れず、自己の判断とリサーチを行うことが重要です。是非参考にして頂けたら嬉しいです。

今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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