不動産の話

マイホームで新築戸建と注文住宅が最悪な理由を不動産屋が解説する。有名ハウスメーカーでも建物価値はゼロの悲しい真実

夢のマイホーム。あなたはどんな家が理想でしょうか?タワーマンション?こだわりの注文住宅でしょうか?

本日での記事では、何故、マイホーム購入において新築戸建と注文住宅が最悪なのかについて解説します。

結論から言えば、確実に資産価値が目減りし、建物価値は必ずゼロになるからです。

何らかの事情で手放す時、あるいは終の棲家とした後に相続で取得した子供たちが売却を検討する時、その愚かさを知るのです。

不動産屋なら絶対に買いません。

日本の不動産流通における仕組みを通して、その具体的な理由についてお話ししていきます。

最後まで読んで頂ければ、不動産での大損を避け、不動産のリセールバリューを意識した最適な物件購入のコツが分かるようになるでしょう。

この記事で分かること

この記事の信頼性

ミナンチャ

この記事はこんな人が書いています。

  • 大手不動産会社で長年にわたり売買仲介を経験
  • 宅地建物取引士
  • 1級ファイナンシャルプランナー
  • CFP認定者

日本では戸建とマンションの査定方法が根本的に違う

不動産を売る時に売却価格のよりどころとなるのが、不動産会社による価格査定です。最終的に売値を決定するのは売主ですが、販売価格を決定する際にはすべからず不動産会社の査定価格をベースにするでしょう。

まず知っていただきたいのが、マンションと戸建では同じ取引事例比較法という近隣物件の相場を基にした査定手法を用いるのにも関わらず、評価の仕方が全然違うということです。

マンションを査定する場合には、近隣の築年数や駅からの距離等が同条件の物件の売出事例や成約事例をもとに近隣相場を算出し、そこに階数や間取り、方位等の査定物件の個別要因を加味して査定価格を決定します。すなわち土地(マンションの敷地)と建物を区分けせずに一体として捉えて評価します。

一方、戸建は違います。土地価格と建物価格を別々に評価して、それらを合算することで物件全体の査定価格を決定します。

土地については、マンションと同様に近隣相場をベースにして、地形や道路付等の個別要因を加味して査定しますが、建物は建築時の推定価格を算出した後、築年数に応じて減額します。ここがポイントです。

木造の場合、建物価格は築年数の上限を20年として、経過年数に応じて減額評価し、20年を超えた時点でゼロとします。鉄骨や鉄筋コンクリートの場合でも上限築年数は木造よりも長いものの、基本的な考え方は同じで、建物構造に応じた築年数を上限として減額評価し、最終的に評価は必ずゼロとなります。

要するに、戸建における建物の評価は、どんなに有名な一流ハウスメーカーで建築しようとも、設備が充実していようとも、査定評価上の築年数の上限を経過すれば、評価はゼロになってしまうということです。

建物に値段をかければかけるほど、将来の資産価値の減価率は大きくなることを意味します。こういった側面から土地を購入して高級建築メーカーで注文住宅を建築するというのはリセールバリューという観点からは最悪の選択肢と言えます。

戸建が欲しいなら中古戸建にする

都心部あれば、立地の良いマンションが戸建てよりオススメですが、それでも戸建が欲しいという方は、木造であれば築20年以上経過した中古戸建を購入して下さい。

先にも述べたように建物の査定評価は、建物構造に応じた築年数を上限に確実に減価します。であるならば、すでに建物価値が消失した土地価格のみの中古戸建を購入することが最も賢明な選択です。

なるだけ状態の良い中古戸建を選んで最低限のリフォームで済ませるのがオススメです。リフォームも拘りはじめると費用は青天井なので、程ほどにしましょう。

注意点として、リフォーム費用も建築費用と同様に査定評価上は数年後にその価値は消失することを覚えておきましょう。

最終的に売却する際には、戸建としてではなく、土地として解体を前提に販売すれば良いでしょう。

それでも新築戸建・注文住宅が欲しい場合はどうすればよいか

売る時の値段なんてどうでもいい、ピカピカの新築で理想の家に住むことが人生の大きな幸福なのだという言う方、そういう人は迷わず買って下さい。

先ほどまでの説明とは矛盾しますが、そもそもマイホームというのは損得の問題ではありません。

本記事では不動産屋として、資産のリセールバリューという観点から、解説をしましたが、その人にとって大きな満足度をもたらすものであり、幸福度に多大に寄与するならば、将来の建物価値はゼロになろうとも買えばよいのです。

それはリセールバリュー云々という領域の話ではありません。

まとめ

居住用不動産の価格査定はマンションと戸建とで根本的に違うということを説明しました。マンションは近隣物件相場との相対評価であるのに対し、戸建は土地の相対評価と別個に建物評価をする特徴があり、その評価は建物構造に応じた築年数を上限としてゼロに向かって確実に減額評価されます。

これらの特徴から、不動産のリセールバリューという観点からは、マンションの購入の方が戸建てよりもおすすめです。

もし戸建を購入するのであれば、建物価値がなくなってしまっている一定の築年数を経過した、比較的に状態の良い中古戸建が良いです。

ただし、どうしてもの新築戸建や注文住宅が欲しく、それが人生の大きな価値なのだと思うならば迷わず買ってよいでしょう。それはもはやリセールバリュー等という損得の領域ではないからです。

この記事が皆様の住宅購入のヒントとなれば嬉しいです。

今回も最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

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