不動産の話

物件内覧時に売主がしてはいけないこと、すべきこと5選(心得編)

売主様こんにちは。ミナンチャです。

(´-ω-`)

今回は売主が物件案内時にしてはいけないことと、すべきことをお話しします。このお話しの前提として、売主さんが居住しながらマイホームを売却される場合、つまりは物件の購入を検討する買主が販売中の売主のマイホームに不動産会社の担当者と共にやって来て、売主がそれに立合う場面を想定しています。

僕は大手不動産会社で長年にわたり、色々な売主様の物件を成約してきました。普通のサラリーマンのマンションから財界の大物の豪邸まで様々です。そんな僕から僭越ではございますが、売主様へ売却時のアドバイスをさせて頂きます。なお、不動産に関してのお話は、ありきたりで耳触りの良いのことばかりをお話ししてもあまり意味がないと思いますので、あくまで不動産営業担当者の立場から実務と経験を踏まえて率直にお話ししますね。少し荒い表現もあるかもしれませんので予めご承知おき下さい。

では行ってみましょう!

物件内覧時の売主の心得

物件内覧時の売主の具体的な心得は下記5点です。

この記事の信頼性

この記事はこんな人が書いています。

  • 業界大手の財閥系不動産売買仲介会社で17年間に亘って仲介業務を経験
  • 現在まで300組以上の売買仲介案件を成約
  • 1級ファイナンシャルプランナー
  • CFP認定者
  • 宅地建物取引士

以下、順に説明してまいります。

買主にセールスしない

物件内覧時に買主に対してセールスしまくる売主が良くいます。あれ絶対やめて下さい。買主は心の中では引いてます。売主としては愛する自分の物件ですから、ココが素晴らしい、こんな良い物件は他にない、という気持ちが先走りますが、残念ながら作り笑顔の買主に与える印象は「必死だな。売れなくて困ってるのかな」だけです。

僕も過去にそんな売主を担当したことが何度かあります。建物に絶対の自信があって買主に求められてもないのに建築当時の建築図面を引っ張り出してきて物凄いセールスされる方でした。案内後の買主からは「落ち着いて物件を見れなかった」「あの物件はいつから売り出されているのですか?(どれだけ長いこと売れ残ってるの?)」みたいな言葉が殆どです。

物件が良いか悪いかを決めるのは売主でなく買主です。

案内中や案内終了後にも、買主が物件を気に入ってる気配を出せば優秀な不動産営業マンはしっかり営業します。余計なことしないでください。

内覧後の買主を引き留めない

内覧が終わって買主が帰ろうとするとお茶を出したり、長話しを始めたりする売主が良くいます。あれもやめましょう。買主は当日にあなたの物件だけを見に来てるわけではありません。次の物件の売主さんと内覧の時間を約束しています。引き留めをすると買主は次の物件の売主との約束に遅刻し、その売主さんに悪印象を与えます。迷惑ですからやめましょう。

良い人そうに振舞って話しすぎない

買主さんにとって売主は取引相手になります。買主も人間です。やはり良い人から気に入った物件を買いたいのは当然です。感じの悪い人が住んでいた物件を感じの悪い売主から買いたくありません。

買主に媚びへつらうことはありませんので、ニコニコとして挨拶し「良い人感」を醸し出してください。演技で結構です。また、気を付けて頂きたいのがこの際もしゃべり過ぎは禁物です。買主から何か質問があった際には回答してあげて、「どうぞご自由にご覧ください」の精神で対応して下さい。

買主から必ずされる質問があるので事前準備を

買主は不動産屋からでなく売主の口から聞きたいことがあります。

  • どのくらい内覧者が来ているか
  • なぜ売却するのか
  • 近隣住民の状況
  • 近くスーパーや病院など
  • 小学校・中学校の評判

これらは良く聞かれます。

まず、「どのくらい内覧者が来ているのか」ですが、この裏には「自分の他に検討者がどのくらいいそうか」という心理があります。よってこの質問がある場合、買主は物件を気に入ってることが多いです。この質問をされたら売主さんは「お陰様で沢山いらしてます」的なことで返しておきましょう。もし全く内覧がない状況であれば「週末には何組か予約を頂いてます」的なことで返しておきましょう。嘘でなく盛って下さい。買主は人気のない物件を買いたくありません。

次に「なぜ売却するのか」「近隣住民の状況」ですが、これは「何か物件に問題があって売るのではないか?」という心理です。騒音や近隣トラブルなどを心配しています。これについては正直に答えてあげて下さい。隠したり取り繕うと逆に不自然です。「子供が大きくなり手狭になった」「〇側隣地は高齢のご夫婦でとても良い方です」「隣のお部屋の方は殆ど顔を合わせませんので分かりません」など。

最後に「近くスーパー」や「学区内の学校の評判」などです。近隣の商業施設などは事前に営業担当者が調べてお答えするケースが多いですが、実のところ「実際に使い勝手が良い生活施設」「評判の良い病院」などの実際に生活している売主でないと分からない情報を聞きたがっていますので教えてあげましょう。学校の評判については良いのであれば「非常に評判が良い」そうでなければ「悪い評判は聞きません」「詳しくないので分かりません」などとしておきましょう。

物件を綺麗にする(但しリフォーム不要)

物件は第一印象が最も大事です。売る気があるなら部屋は綺麗に掃除しましょう。特にお風呂や洗面、トイレなどの水回りは女性のお客様は特に気にされますのでしっかり綺麗にしましょう。お掃除が面倒な場合は多少の費用はかかりますがこの機会にハウスクリーニングを頼んでみてもいいでしょう。また、荷物が多い場合も印象が良くないのと、荷物で隠れている床面や壁、その他設備が目視できないため購入を検討する際に不安になります。どうせ引っ越すのですから、この機会に捨てて下さい。もしくは無理であれば貸倉庫などを借りて移してしまいましょう。売れるまでの辛抱です。

また、経年劣化などにより掃除では対処しきれない汚れや古さが目立つ場合について、たまに不動産営業マンで「リフォームした方が買主の印象が良くなりますからやりましょう」などという人がいますが、不要です。どうせ手放すものにリフォーム代金を負担する必要はありません。それにリフォームは買主の好みにお影響します。リフォームをして物件の価格が高くなるくらいなら、そのままの状態(清掃・整理整頓はする)で修繕費用を鑑みて少し安く価格設定してあげた方がよっぽど売れやすいです。ただし、あまりに状態が酷い場合には壁紙等の表装くらいはリフォームした方がよい場合もあります。

最後に

個人的には物件の成約への寄与度は、

物件の魅力:8割 + 営業マンの腕:2割 ‐ 売主の心得欠落

こんな感じかと思います。売主の心得の欠落は減点要因と思っています。せっかくの素晴らしい物件なのですから最高のパフォーマンスを引き出したいところですね。

物件の売却は長期戦にして良いことは何もありません。売れ残りの印象を与えてしまったり、売れるまでのストレス期間が長くなります。短期決戦、具体的には概ね3か月以内に成約できることを目安に、不動産会社と良く相談のうえ、適正な価格設定をして販売するように心がけましょう。

売主さんがたった一人の素晴らしい買主さんと一日でも早く出会えるように願っています。

今回もここまで読んでくださり、ありがとうございました!

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