不動産の話

ローンの返済が苦しいなら、競売になる前に任意売却を検討しよう!不動産屋が任意売却の基礎とポイントを解説

住宅ローンの債務返済が滞る、或いは不動産を担保にした債務の返済が立ち行かなくなると最終的にはその不動産は競売になってしまいます。

そうなる前に返済が苦しい状況ならば、競売になる前に任意売却を決断しましょう。

今回の記事は任意売却とは何なのか、どんな手続きが必要なのか、何故ローン返済が限界となっている人は任意売却を選択すべきなのか、について解説していきます。

債務者にとって、競売にかかるよりは、任意売却の方がメリットが多いです。

大規模金融緩和が続き、低金利が長く続いている昨今の日本ですが、日米金利差や物価上昇の影響は大きく、この先利上げに転じる局面は想像に難くありません。

今は何とか返済できていても、こうした経済状況を背景に日本の金利動向の潮目の変化は容易に起こりうり、返済不能となった場合に有用な知識は備えておいた方がよいでしょう。

この記事で分かること

この記事の信頼性

ミナンチャ

この記事はこんな人が書いています。

  • 大手不動産会社で長年にわたり売買仲介を経験
  • 宅地建物取引士
  • 1級ファイナンシャルプランナー
  • CFP認定者

競売と任意売却って何?

住宅ローンでも、何かの事業で不動産を担保に入れて借入した場合でも、金融機関から借入をして返済できなくなれば、金融機関は担保に入れた不動産を売却して貸付金の回収をします。

担保にとった不動産を処分するには大きく2つの方法があります。

一つ目は任意売却です。これは担保にとった不動産の所有者の了解を得た上で一般市場で売却する方法です。

記載の通り、任意売却には所有者の了承が必要ですが、不動産を手放すのが嫌で抵抗を続けていると、どうなるか。売るに売れない状況に困った金融機関は次の方法を取らざる得ません。それが競売です。

競売とは、金融機関が裁判所へ競売の申し立てを行い、国が運営するオークション形式の方法で売却する方法です。

競売になると、裁判所の執行官や不動産鑑定士が担保対象の債務者の家やその他物件にやってきて、写真をとり調査されます。そして、売却基準価格等が決まり次第、必要な情報が一般公開され、すぐに入札が始まります。応札者の中から競落者が決まれば、債務者はその物件を明け渡して出ていかなくてはなりません。

さらに競売しても返済しきれなかった債務については返済義務を負うことになるのです。

なぜ競売より任意売却の方が良いのか

金融機関はなぜ競売でなく、任意売却を先に提案するのでしょうか。そこには競売と比較した場合の明確なメリットがあるからです。

ひとつ目は時間です。任意売却は競売に比べて債権回収までのスピードが早い点がポイントです。

競売手続きによると換金して債権回収するまでに早いものでも半年程度、物件によっては数年かかる場合があります。また、申し立て書類の作成や裁判所とのやり取りなど手続面でも負担が大きいのです。

二つ目は回収額の多さです。競売と比較し、任意売却の方が多額の債権回収が期待できます。

競売の売却基準価格は、一般的に時価の6~7割程度です。1回で落札されなければ、2回、3回と入札され、その度に売却基準価格は下落していきます。一方、任意売却が成立すれば、債権額満額を回収できる可能性があります。

これらのメリットは以下の物件所有者のメリットにも繋がります。

  • 早期かつ多くの債務返済が期待できる
  • 事業をしている場合、売却先から賃借して事業を継続するという選択肢もある
  • 競売では一銭も残らないが、任意売却であれば引越し代を交渉する余地がある
  • 周囲へも強制処分されたのでなく自身で売ったと言える

任意売却に必要なこと

ではそこまでメリットが多い任意売却をなぜ全ての案件で選択しないのでしょうか。任意売却をするために必要な最低条件について説明します。

所有者(共有者)の同意

不動産を売却できるのは担保権者の金融機関ではなく、所有者です。任意売却するためには、担保不動産の売却には所有者の意思と協力が欠かせません。

また、「所有者」とは共有者も含みます。その物件に共有者がいる場合には、共有者全員の同意と協力が必要です。

全ての抵当権者の同意

担保不動産の所有者の同意を得るだけでは足りません。不動産を売却するためには付帯する全ての抵当権を抹消しなくてはいけません。したがって、全抵当権者の売却に対しての同意が必要となります。

複雑な交渉を行い、全権利者を説得して合意を得なければならず、これが最大のハードルと言ってよいでしょう。

売却価格の妥当性

破産案件で破産管財人が担保不動産の所有者の場合、裁判所の許可を得なければ売却できません。その前提として破産管財人は売却価格の妥当性を証明する必要があります。鑑定書や複数の不動産業者の価格意見書の提出が必要な場合があります。このため、売却価格の妥当性は慎重に確認すべきです。

任意売却の大まかな流れ

任意売却の大まかな流れについて簡略的に示しますと下記のとおりです。

  1. 物件所有者(共有者含む)の売却同意
  2. 物件の調査と適正価格の査定
  3. 買主探し
  4. 買主からの購入申込(買付)の取得
  5. 債権者への回収金配分案の作成
  6. 債権者等の利害関係者との調整・交渉
  7. 不動産売買契約・抵当権抹消・所有権移転

任意売却のポイント

以下に任意売却するにあたって知っておくべきポイントを解説します。

担保解除料(いわゆるハンコ代)

後順位の抵当権者との担保解除の交渉が任意売却の山場です。任意売却を成功させるためには全ての抵当権者から担保解除の同意と取り付ける必要があり、任意売却の実務では、後順位の担保権者に対して、いくらかの解除料を支払って、抵当権抹消に応じてもらうのが一般的です。

一般的な解除料の目安は50万円~100万円程度です。

後順位の抵当権者も競売になってしまえば、1円も回収できなくなることは分かっていますので、いくらかでも回収できた方がましと判断します。

契約不適合責任免責

一般的に、雨漏りやシロアリの害等、担保不動産に重大な瑕疵がある場合には、一定期間において売主がその補修の責任(契約不適合責任といいます)を負うことを定めて売買契約を締結します。

しかし、任意売却においては、売主にその補修の資力がないことが殆どのため、売主の契約不適合責任を免責とすることが通常です。

瑕疵がある場合には予め買主へ告知し、売買代金の減額で調整する方法が用いられます。

抵当権抹消の解除条件付き売買契約

先に説明したように不動産を売却するためには付帯する全ての抵当権、その他所有権の移転を阻害する一切の負担を除去・抹消して買主へ所有権移転する必要があります。

万一、抵当権者の同意が得られなかったり、何らかのトラブルで抵当権等の抹消が不可能となった場合に、売主が契約違反の責を負わないように、売買契約を無償解除できる特約を付すことが必要です。

買主は不動産業者となることが殆ど

上記のとおり、売主が物件の瑕疵に対する補修責任を負えなかったり、抵当権抹消が不調となった場合の解除条件付きの契約となる等、一般の買主には条件面でハードルが高いこと、合わせて、様々な他の債権者の抵当権が複数付帯しているため、新たに金融機関のローンを利用して購入しにくいこと等から、実務的にはプロの不動産業者が買主となるケースが一般的です。

任意売却を依頼するならどこの不動産会社が良いか

これまでに説明のとおり、不動産の任意売却は慎重な取り組みが必要です。

任意売却の依頼をする不動産会社選びにおいては、経験豊富な大手の不動産仲介会社を選ぶことが賢明です。

最大手の仲介会社は市場動向や法的な知識に優れ、任意売却において、抵当権抹消等の経験値や交渉力に長けており、スムーズに進めるためのノウハウがあります。

また、兎にも角にも優良な買主を見つけることが最も重要なポイントです。それを実現するためには幅広い販売手法やネットワークを有し、広告やマーケティング戦略を駆使できる会社であることが肝要です。

他にも、物件の適正な評価や査定、法的な手続きにおいても最大手ならではの提携先の専門家がサポートしてくれます。これにより、売主は自身の利益を最大化し、トラブルを最小限に抑えることができます。

総じて、不動産の任意売却はプロのアドバイスとサポートが欠かせません。最大手の不動産仲介会社ならば、その実績と信頼性から、成功への近道を提供してくれることでしょう。安心して任意売却を進めるために、まずは価格査定から、最大手の不動産会社へ相談してみるのがおすすめです。

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今回も最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

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